2024.02.19
ドライバー不足へ対応するため、労働条件や労働環境の見直しは取り組むべき課題の一つです。厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」によると、トラックドライバーの年間所得額は全産業平均と比較して大型トラック運転者で約5%、中小型トラック運転者で約12%低い水準で推移しています。今後は時間外労働に上限が設けられることで残業代が減り、ドライバー一人あたりのさらなる賃金低下が予想されるでしょう。
人手不足により多くのドライバーを確保しなければならない一方で、これ以上の賃金低下を招けば、離職を選ぶドライバーの増加が懸念されます。ここは定着を強化させる良い機会と捉え、給与体系の見直しを推進しましょう。また、週休2日制の導入や有給休暇の取得促進、キャリアパスの明示、女性・高齢者にも働きやすい職場づくりなど労働環境の改善も重要です。人手を確保するためには魅力ある職場づくりがカギと言えます。
時間外労働の上限規制などによりドライバー一人あたりの労働時間減少に関する問題の解決には、輸配送の効率化が不可欠です。ドライバーの長時間労働の要因の一つに、積荷の待機時間があります。待機時間を削減するための改善案を検討しましょう。たとえば「2時間以上であれば別途料金追加」や、「時間指定を見直してもらう」「待機時間を削減してもらう」など荷主企業への交渉が重要です。
また、輸配送率の向上には空車率を下げることも有効です。GPSでドライバーの現在地と時間を把握し次の積地を決めるなど、工夫できる余地を見つけて改善していきましょう。加えて、標準的な運賃や燃料サーチャージなど燃料費の上昇コストを運賃・料金に反映させるよう、荷主企業への理解促進にも取り組みましょう。
働き方改革関連法遵守のため、勤怠管理の強化が不可欠です。自社の勤怠管理は、出勤簿や日報などでの自己申告によるアナログな方法で行っている企業も少なからずあるでしょう。一方、デジタコ(デジタルタコグラフ)を使用しているので、デジタルでの管理が進んでいるという認識の企業も多いかもしれません。ですが車両が停車している間、仕事に従事していないとは限りません。ルール次第では管理に不備がある可能性があります。
運送業においてドライバーは基本的に外出、長距離輸送の際は日をまたいでの勤務など、勤怠状況の正確な把握が困難であると言えます。しかしながら、勤怠管理は時間外労働時間の上限規制や賃金にも直結する重要な業務です。労務トラブルを防止するためにも、就業規則を明確にし、勤怠管理をしっかり行うことが肝要です。事業者自ら法令遵守に積極的に取り組みましょう。
長時間労働の課題解消には、輸配送の形態を変えることも有効です。一人のドライバーが長距離輸送の全行程を運転する従来の形態は、長時間労働につながる最大の原因と言えます。改善するには「複数人体制でリレー運送をする」「幹線輸送と集荷・配達を別のドライバーが担当する」などの対策を取ると効果的です。
また運賃の上昇に対する荷主企業の対策として、一部区間を鉄道や船舶にシフトする「モーダルシフト」も、場合によっては検討に値します。リードタイムは長くなりますが、長距離輸送の場合、コスト削減できる可能性があります。CO2削減もできるため、SDGsの観点やホワイト物流推進の面でPRにもなるでしょう。
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2024.02.27
愛知県名古屋市を中心にトラック運転手などの求人を取り扱っている「エヌドライブエージェント」はドライバー求人専門の人材紹介会社です。 ドライバー転職を考えている方に向けてのお役立ち情報を配信中。資格や免許がない未経験者大歓迎の取得費用を負担する会社の特集など。
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営業時間/8:30~17:30(月~土)
「2024年問題」とは、時間外労働の上限規制などに代表される働き方改革関連法の施行に伴い、物流業界で生じる様々な問題を示す言葉です。運送会社では、収入減少によるドライバーの離職や売上の減少が懸念されます。また荷主企業にとっても運賃値上げの可能性が危惧されるでしょう。
2024年問題に向けて
物流企業が取り組むべき課題
ドライバー不足への対応
ドライバー不足へ対応するため、労働条件や労働環境の見直しは取り組むべき課題の一つです。厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」によると、トラックドライバーの年間所得額は全産業平均と比較して大型トラック運転者で約5%、中小型トラック運転者で約12%低い水準で推移しています。今後は時間外労働に上限が設けられることで残業代が減り、ドライバー一人あたりのさらなる賃金低下が予想されるでしょう。
人手不足により多くのドライバーを確保しなければならない一方で、これ以上の賃金低下を招けば、離職を選ぶドライバーの増加が懸念されます。ここは定着を強化させる良い機会と捉え、給与体系の見直しを推進しましょう。また、週休2日制の導入や有給休暇の取得促進、キャリアパスの明示、女性・高齢者にも働きやすい職場づくりなど労働環境の改善も重要です。人手を確保するためには魅力ある職場づくりがカギと言えます。
輸配送効率の向上、荷主企業への理解促進
時間外労働の上限規制などによりドライバー一人あたりの労働時間減少に関する問題の解決には、輸配送の効率化が不可欠です。ドライバーの長時間労働の要因の一つに、積荷の待機時間があります。待機時間を削減するための改善案を検討しましょう。たとえば「2時間以上であれば別途料金追加」や、「時間指定を見直してもらう」「待機時間を削減してもらう」など荷主企業への交渉が重要です。
また、輸配送率の向上には空車率を下げることも有効です。GPSでドライバーの現在地と時間を把握し次の積地を決めるなど、工夫できる余地を見つけて改善していきましょう。加えて、標準的な運賃や燃料サーチャージなど燃料費の上昇コストを運賃・料金に反映させるよう、荷主企業への理解促進にも取り組みましょう。
勤怠管理の強化、法令の遵守
働き方改革関連法遵守のため、勤怠管理の強化が不可欠です。自社の勤怠管理は、出勤簿や日報などでの自己申告によるアナログな方法で行っている企業も少なからずあるでしょう。一方、デジタコ(デジタルタコグラフ)を使用しているので、デジタルでの管理が進んでいるという認識の企業も多いかもしれません。ですが車両が停車している間、仕事に従事していないとは限りません。ルール次第では管理に不備がある可能性があります。
運送業においてドライバーは基本的に外出、長距離輸送の際は日をまたいでの勤務など、勤怠状況の正確な把握が困難であると言えます。しかしながら、勤怠管理は時間外労働時間の上限規制や賃金にも直結する重要な業務です。労務トラブルを防止するためにも、就業規則を明確にし、勤怠管理をしっかり行うことが肝要です。事業者自ら法令遵守に積極的に取り組みましょう。
輸配送形態の切り替え
長時間労働の課題解消には、輸配送の形態を変えることも有効です。一人のドライバーが長距離輸送の全行程を運転する従来の形態は、長時間労働につながる最大の原因と言えます。改善するには「複数人体制でリレー運送をする」「幹線輸送と集荷・配達を別のドライバーが担当する」などの対策を取ると効果的です。
また運賃の上昇に対する荷主企業の対策として、一部区間を鉄道や船舶にシフトする「モーダルシフト」も、場合によっては検討に値します。リードタイムは長くなりますが、長距離輸送の場合、コスト削減できる可能性があります。CO2削減もできるため、SDGsの観点やホワイト物流推進の面でPRにもなるでしょう。